こんにちは、みらいです。
みなさん、余裕資金はどのようにされていますでしょうか?
使わないお金は貯金しましょう!と子どものころから教わってきた方が多いかと思います。
私もお年玉やお小遣いなどを貯めては、せっせと銀行に貯金をしていました。
でもある日、思ったんです。
みらい
ところが、これが大きな間違いであることに気がついたんです。
今回は、貯金のリスクについてのお話です。
貯金にもリスクがある?
私は元銀行員でした。
それは、銀行に就職してしばらく経ってからのこと。
当時、私は預貯金が多いお客様を対象に投資信託や保険などの金融商品を案内する仕事をしていました。
窓口や電話などでお客様に案内をすると、決まって返ってくる返答がありました。
「お金は増えなくてもいいから、減らしたくないんだ。貯金が一番。」
その当時はリーマンショックがあり、投資をしているほとんどの方が損をしている状態でしたので、私も仕方がないなぁ・・お客様のおっしゃる通りだと思っていて、金融商品をおすすめするのが憂欝でした。
ある日、先輩に愚痴を言ったことがあります。
「預金がリスクもなくて安全なのに、投資をすすめたくないです」と。
その時、先輩から返ってきた答えは・・
「え?預金もリスクあるのよ?しかも預金だとぜんぜん増えないどころか減るよ。」
この時の私には預金にもリスクがあって、減るとはどういうことなのかさっぱり分からなかったけれど、あとで自分でいろいろ調べたり勉強したりしてみて、その意味がわかりました。
お金の価値は変わる
銀行に100万円を預けて10年間ずっと預けっぱなしにしておくとしましょう。
10年後にこの銀行預金はいくらになっていると思うでしょうか?
金利が0.001%とすれば、だいたい100万100円(税金は考慮していません)ですかね。
減っていないよ~ 100円だけど増えているよ!!と思うかもしれません。
しかし、100万円の価値はどうでしょうか?
10年前と同じ価値があれば増えたことになりますが、基本的に物価は毎年1~2%ずつ上がっていっています。
よく4月に食品の値上げのニュースが取り上げられますよね。
分かりやすい値上げだけではなく、ステルス値上げもあります。
値段はそのままで、中身の量を減らすのです。
ポテトチップスなどのお菓子も昔と比べたらずいぶん袋が小さくなりました。
内容量が減ってるんですよ!!(汗
1袋の値段は変わっていませんが、1975年には90g入っていましたが、今では60gになっています。
他にもポッキーやハーゲンダッツ、カントリーマアム、柿の種など様々な商品の内容量が減っています。
飲食店でも同じことが起こっています。
値段を上げるとお客様が来てくれなくなったら困るので、量を減らすのです。
このように、少しづつですが物の値段は上がっていっています。
昔のように銀行預金の利率が高ければ、銀行に預けておいても問題はありませんが、今の利率ではその価値がどんどん目減りしていってしまいます。
銀行預金の価値は目減りする
もっとわかりやすくディズニーランドのチケット代を例に取り上げてみますね。
ディズニーランドが開園した1983年のチケット代は3900円でした。
ところが、どんどん値上げをしていって今のチケット代は7400円です。
2倍とまではいかないですが、恐ろしい値上がり率ですよね・・・
ディズニーランド開園時、老後に夫婦でディズニーランドに行こうと思って銀行預金に1万円を預けておいても行けないわけです。
このように物価がどんどん値上がりしているので、それ以上の利率でお金を増やしていかないと、その価値が目減りします。
お金の価値は変わっているということですね。
経済界で有名な法則の一つに R(資本収益率)>G(経済成長率)があります。
いろいろ解釈がありますが、経済(物価)の成長率以上にお金(資本)を増やさないとないと、豊かにはなれないという意味です。
残念ながら今の銀行預金はこの法則に当てはまっていません。
貯金のリスクとは?
上記に書いたように、物価が上昇することによって貯金の価値が目減りするというリスクがあります。
少しくらいの物価上昇であれば、あまり気にならないかもしれませんが、もしハイパーインフレが起こってしまったらどうなるでしょうか?
ハイパーインフレとは
物価の急上昇に歯止めが効かなくなり、通貨の価値が暴落してしまうことです。
今はスタバのコーヒーが500円くらいですが、10倍の5000円になってしまったら?
スタバのコーヒーならまだ我慢すればいいですが、食品や日常必需品まで10倍の値段になってしまったら大変ですよね(汗
この時、貯金の価値は10分の1になってしまいます。
老後のためにと1000万円の貯金をしていても100万円の価値しかなくなってしまう・・
これでは安心して老後が過ごせないですよね。
このハイパーインフレは、過去にはドイツ、ロシア、アルゼンチンで、直近では2018年にベネズエラで起こっています。
日本でも今後ハイパーインフレが起こるのではないかという懸念があります。
絶対に起こるわけではないですが、起こらないとも言い切れないので、いざという時のために対策を考えておく必要はありそうです。
デノミネーションとは
通貨の単位を切り下げる、もしくは切り上げることです。
どういうことか簡単に説明すると、政府がある日いきなり円の単位を10分の1切り下げますと決定しました。
すると銀行預金の1000万円は100万円になります。
物価の価格は変わらないので、保有している現金の資産の価値が10分の1になってしまいます。
ハイパーインフレとよく似ていますが、ハイパーインフレは意図せずに起こってしまうのに対して、こちらは意図して政策として打ち出すので少し違います。
過去には、ウルグアイ、トルコ、ルーマニア、北朝鮮、ベネズエラなどで起こっています。
これは本当に無茶な政策で、こんなこと日本ではあり得ないでしょ!!と思う方も多いかと思います。
私もそう思いますが、日本の国は莫大な借金があります。
もし、これがどうにもならなくなってしまって・・国は借金を減らすために通貨の単位を切り下げる、そうすれば借金は減るわけです。
国民としてはあり得ない政策で、暴動が起こりそうですよね・・
でも私が尊敬している投資家の方は、デノミネーションは起こる可能性があるとおっしゃっていました(汗
こちらもあくまで可能性の話ですが、実際に起こった国もあるので、頭の片隅においておきたいですね。
ちなみに、過去に日本でも新円切替と称して、デノミネーションと同じことが起こっています。
その際には、預金封鎖という恐ろしい政策もありました。
預金封鎖とは
預金封鎖とは、その名の通り銀行預金などの資産の引き出しを制限することです。
銀行の経営に危機説などが流れた場合に、預金者が過度に引出しを行わないように一時的に制限することがあります。
この場合は特に問題ないです。
もし、銀行がそのまま経営破綻してしまったとしてもペイオフ制度によって、1000万円とその利息までは守られます。
危険なのは、政府が財政の破綻を防ぐために預金封鎖をする時です。
過去にはアメリカ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、キプロスで行われたことがあります。
そして日本でも1946年に、金融緊急措置令と日本銀行券預入令が制定公布され、新円切替が施行されると同時に預金封鎖されたことがあります。
祖母から昔は1万円で家が建てられたんだよ~という話を聞いたことがあり、その時は冗談だと思っていたのですが、冗談ではなくお金の価値が大きく暴落をしていたということですね・・
円の暴落
上記3つは主に国内におけることですが、世界的に考えると日本の信用が失われると円の価値が暴落します。
現在1ドルに両替するのに105円くらい必要ですが、どんどん円の価値が安くなり、1ドル両替するのに150円や200円も必要になってしまうということも考えられるわけです。
海外旅行に行く場合は旅費が倍くらいになってしまって辛いですよね・・(汗
海外に行かなくても輸入品は円安になることによって価格が上がってしまいます。
銀行預金は円に投資をしていると言ってもいいかもしれないですね。
貯金のリスクを回避するために
では、貯金のリスクを回避するためにどうすればよいでしょうか?
答えは、銀行預金以外にも金融資産を持ってリスク分散をさせることです。
例えば金などの現物は比較的に価値が値崩れがしにくいです。
貯金の一部を金にして持っておくというのも対策の一つです。
あとは、外貨を持つことですね。
日本人は基本的に円しか使わないので円預金をするのが当たり前ですが、世界の基軸通貨はドルです。
ドルを持つことによって、円の暴落に対してリスクを分散できます。
その他にもいろいろ対策がありますので、また詳細は別記事にてお伝えしていけたらと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
確かに投資に比べると銀行預金は比較的安全です。
しかし絶対に安全ではなく様々なリスクがあり、物価上昇率によってその価値は目減りしていくことをぜひ知っておいて欲しいです。
それを回避するためには、預金以外の投資が必要になります。
投資は怖いものというイメージを持つ方は多いですが、私はむしろ銀行預金だけの方が怖いです。
銀行預金だけではリスク分散ができていないので、万が一の時にその価値が一気に減ってしまいます。
みらい
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